社長の財務経営力がアップ!
中小会計要領は「中小企業の経営者が活用しようと思えるよう、理解しやすく、自社の経営状況の把握に役立つ会計」とすることが目的の1つとなっています。
要領に記された会計のポイントは次の14項目です。
- 収益、費用の基本的な会計処理
① 収益は、原則として実現主義により計上します。② 費用は、原則として発生主義により計上します。
③ 収益と費用の対応により機関損益を計算します。④ 収益と費用の記載は、原則として総額主義により計上します。 - 資産、負債の会計処理
① 資産は、原則として取得価格で計上します。② 負債は、原則として債務額で計上します。
- 金銭債権及び金銭債務
① 金銭債権は、原則として取得価格で計上します。② 金銭債権は、原則として債務額で計上します。③ 受取手形裏書譲渡額は、注記します。
- 貸倒損失、貸倒引当金
① 倒産などに伴い、法的に債券が消滅したときは、貸倒損失として計上します。② 回収不能な債権については、その金額を貸倒損失として計上します。③ 回収不能のおそれのある債権については、その金額を貸倒引当金として計上します。
- 有価証券
① 有価証券は、原則として取得原価で計上します。② 法人税法上の売買目的有価証券を保有する場合は、時価で計上します。③ 回復の見込みがあると判断した場合を除き、評価損を計上します。
- 棚卸資産
① 棚卸資産は、原則として取得原価で計上します。② 棚卸資産の評価基準は、原価法または低価法によります。③ 棚卸資産の評価方法は、個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、最終仕入原価法、売価還元法等によります。④ 時価が取得原価よりも著しく下落し、回復の見込みがあると判断した場合を除き、評価損を計上します。
- 経過勘定
① 前払費用及び前受収益は、当期の損益計算から除去します。② 未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に反映します。
- 固定資産
① 固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に分類します。② 固定資産は、原則として、取得原価で計上します。③ 有形固定資産は、定率法、定額法等の方法に従い、相当の減価償却を実施します。④ 無形固定資産は、原則として、定額法により、相当の減価償却を実 施します。⑤ 固定資産の耐用年数は、法人税法に定める期間など、適切な利用期間とします。⑥ 災害等により著しい資産価値の下落が判明したときは、評価損を計上します。
- 繰延資産
① 創立費、開業費、開発費、株式交付費、社債発行費、新株予約権付発行費は、費用処理または繰延資産として資産計上します。② 繰延資産は、その効果の及ぶ期間にわたって償却します。
- リース取引
① リース取引の借手は、賃貸借取引または売買取引に係る方法に準じて会計処理を行います。
- 引当金
① 以下に該当する引当金は、貸借対照表の負債または資産の部に記載します。
- 将来の特定の費用または損失であること
- 発生は当期以前に事象に起因すること
- 発生の可能性が高いこと
- 金額を合理的に見積もることができること
② 賞与引当金は翌期に従業員に対して支給する賞与の見積額のうち、当期の負担に属する部分の金額を計上します。③ 退職給与引当金は退職一時金制度を採用している場合には、当期末 の退職給与に係る自己都合要支給額を基に計上します。④ 退職給付に係る拠出以後に追加的な負担が生じない制度を採用している場合には、毎期の掛金を費用処理します。
- 外貨建取引等
① 外貨建取引は、取引発生時の為替相場による円換算額で計上します。② 外貨建金銭債権債務は、取得時または決算時の為替相場による円換算額で計上します。
- 純資産
① 純資産は、資産の部の合計額から負債の部の合計額を控除した額になります。② 株主資本は、資本金、資本剰余金、利益剰余金等から構成します。
- 注記
① 会社計算規則に基づき、重要な会計方針に係る事項、株主資本等変動計算書に関する事項等を注記します。②「中小会計要領」に拠って計算書類を作成した場合は、「その旨」を記載します。
財務経営力アップの流れ
- 1「中小会計要領」に沿って日々記帳
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- 2月次決算
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- 3決算書を読んで経営状況を正確に把握
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- 4今後の打ち手を検討
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- 5健全経営の遂行
金融機関からの決算書信頼度がアップ!
中小会計要領は「中小企業の利害関係者(金融機関、取引先、株主等)への情報提供に資する会計」とすることが目的の1つとされ、金融機関の融資審査に配慮された内容になっています。
※一例として日本政策金融公庫をはじめ、多くの金融機関が、中小会計要領の適用企業に対して融資の金利を優遇する制度を採用しています。
金融機関からの決算書信頼度アップの流れ
- 1「中小会計要領」を活用して適時・正確な記帳
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- 2「中小会計要領」に基づく室の高い決算書作成
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- 3決算書を読んで経営状況を正確に把握
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- 4社長が財務状況と経営状況を説明
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- 5金融機関からの決算書信頼度アップ
当事務所が行うサポート
中小会計要領の適用には、適時・正確な記帳が前提とされています。
そのためには、貴社で日々記帳(入力)を行うことが重要です。
当事務所では、中小会計要領に沿って適切な記帳(入力)ができるようご支援します。
また、貴社を毎月訪問して適時に正確な記帳(入力)が行われているか確認させていただき、処理に誤りなどがあれば丁寧にご指導をいたします。詳しくは、当事務所にご相談ください。